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2016.07.06
ズバッと一言
プチ親不孝
今日の朝刊に「ペコロスの母に会いに行く」原作者岡野さんのインタビュー記事が載ってました。
名古屋では8月20日から29日まで中日劇場で舞台が公演されます。
介護というものは人それぞれ考え方が違います。役目であると在宅で頑張る方や施設の方がいいという方それぞれです。私は職業として介護する側にいますが、それこそたくさんの「介護」を見てきました。
そういった中で私は「介護の結末」を考えることが多くあります。この仕事を続ける間は常にかもしれません。「介護の結末」というのはもちろん”要介護者”の方が亡くなった時のことを指しますが、いい終わり方をできるか。を考えます。人が亡くなることですから決していいことではありませんが、その中でも普通に「いい思い出」を残して終われるかはとても重要であると思います。
私も以前岡野さんにお会いした際、とてもまじめな方で今でも「光江さん」の介護について考えているようにも感じました。施設に預けたことでとてもいい距離感をつくり、そして互いに優しくなれた介護を経験したように思います。漫画はとても面白く書かれていますし、舞台も「認知症」を題材に面白く作られています。ですが、実際はそんな面白いことばかりではなかったはずです。当然のことながらつらく大変な日もあったことは安易に想像がつきます。
「いい介護の終わり方」ができたからこそ、今こうして笑っていられるのではないでしょうか。
介護は需要と供給のバランスがとても大切です。家で家族が見たほうがいいに決まってます。ですが、最近起こる悲しい事件はやはり需要と供給のバランスが崩れた時に起こっているように思えます。
岡野さんが言われるようにプチ親不孝をすることは、このバランスの維持につながると思います。ですが、私が思うに岡野さんが言われる「プチ親不孝」は果たして本当の意味での親不孝なのでしょうか。お互いに優しくなれる「親孝行」ではないでしょうか。