名古屋市で住宅型有料老人ホーム、訪問介護、訪問看護、介護職員初任者研修や喀痰吸引等研修(一号研修)などの研修事業まで行なっているH&Nホールディングス

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2016.03.10

ズバッと一言

昇格しろ

世の中的には春闘が騒がしくなってきました。病院で働いているときから私たちには関係ない事と思って来てましたが、会社の経営をしているとなんだか気になります。世の中の経済状況や動きにはやはり敏感になります。

 

介護業界で定期昇給というのは現実的に私個人としては考えられません。何故なら介護報酬は原則収入上限が決まっているからです。事業展開をするなりして収入を増やしたとしても介護職員一人で得られる報酬単価が一定である以上そんな簡単に給料が上がるとは思えません。

もし定期昇給制度を導入するとしたらもしかすると今より給料が減る可能性がでてきます。どの企業も同じような性質を持っていますが、最初低く後に高くというように慣らすと平らになるのが一般企業でいう定期昇給制度になっていきます。仮に営業などで大きな成績を上げた場合、一時金にて還元するか、それが長く続く場合は能力が高いということになりますから昇格という成果を得られるのが一般的ではないでしょうか。介護の業界では営業のように一時収入を上げることは基本的にできない業界ですからそれが難しいことはいうまでもありません。

では逆に介護の業界でどのように収入を増やしていったらいいのか。それは管理職になることです。管理職になるということは”人を使う”ということになります。人を使って企業に大きな収入をもたらせるということは一職員の功績でもありますが、これは「管理職の大きな評価と業績」になります。当然より多くの報酬を得る権利があります。または、一大決心をして起業しましょう。場合によっては借金取りに追われる可能性もありますが、それ相応のリスクと引き換えに大きな収入を得ることができます。ただやはり私個人の経験上非常にリスクがありますし管理職の時とは違うストレスなどなってみると嫌なことがとても多いので管理職の立場で人より若干多いくらいがいいかもしれません。

当社では比較的いい給料設定をしていますが、これは平らな部分(年収を12か月で割る)昇給は基本なしの感覚で設定しています。単純にたくさん給料が欲しければ「昇格しろ」という意味です。昇格をするということは知識的にも技術的にも人間的にも評価をされて先に述べた原理による昇給ということになります。私は平等という年功序列型が嫌いです。時に必要なことはあるかもしれませんが、私の感覚で介護職がプロである以上平等は不平等です。場合によっては給料は下がることもありだと考えています。

最近介護施設での殺人や介護の現場はひどい労働環境だということが取りあげられていますが、少しうるさく耳障りなように感じます。一生懸命働いている職員や一流の介護職員を目指している人からすると本当に迷惑な話です。一部のふざけた奴らのせいで同じような目で見られたらたまったもんじゃありません。そもそも今回の事件を起こした介護職員や虐待をしていた職員、また黙認していた施設。簡単にいうと質の悪い介護職員。こんな人たちは給料が低くて当たり前です。おそらく給料が高くても同じようなことをするでしょう。そもそもの問題です。介護の業界がどうとかそれ以前の問題です。たまたま介護の業界に来てしまったのか他では雇ってもらえなかったのか。ただ給料が相場より高いと最初からまともな人が来ます。経験上すべてではありませんがいい人材がきます。あとはどう育てるかです。そういった中から改善していく必要があるのではないでしょうか。

もっと税収を増やして介護職員に直接手当を支給すれば会社だけがもうかっているなんて話にはなりません。これからの介護は「教育」と「処遇の改善」を同時に行っていかなくてはいけません。もし給料だけを上げればいいなんてことを言ったらそれはナンセンスです。給料を上げると同時に人間的にも介護としても質、レベルを上げることを義務付けることが大切なのではないでしょうか。

私が働いてきた病院も今の介護施設も仕事はめちゃくちゃ大変でした。今の介護施設がそんなに大変か?ひどいか?と思ってしまいます。やってきたからこそ思うことがあります。当然やめようと思ったことも何回もあります。でも好きだから続けてきました。少なくても殺そうと思ったことは一度もありません。そういった現場で頑張っている職員やこれから夢をもって目指してくる若い世代の子達幻滅してしまうような行き過ぎた報道はやめてほしいなと思います。もし「夢なんてないだろ」と思うならうちの介護職員を見てからいっていただきたい。